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ラジオ・ラブィートで少年院・刑務所経験者が語る番組 名大院生が企画

番組の進行役を務める芳賀美幸さん(写真左)と高坂朝人さん(写真右奥)

番組の進行役を務める芳賀美幸さん(写真左)と高坂朝人さん(写真右奥)

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 豊田市・みよし市を放送エリアとするコミュニティーFM「エフエムとよた(愛称=ラジオ・ラブィート)」が10月4日、少年院や刑務所入所経験のある人や家族らの実情を当事者本人が紹介する新番組「コウセイラジオ~breakthrough the wall~」の放送を始めた。

ラジオ・ラブィートで少年院・刑務所経験者が語る番組 名大院生が企画

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 同番組は、大手新聞社記者で名古屋大大学院情報学研究科に在学している芳賀美幸さんが、受刑者自らが発信する「刑務所ラジオ」などを研究する中で企画したもの。

 芳賀さんが記者として取材活動で出会った、非行当事者の社会復帰を支援するNPO法人「再非行サポートセンター愛知」の高坂朝人理事長に協力を呼びかけ、愛知少年院(豊田市浄水町)と名古屋刑務所(みよし市ひばりヶ丘1)を放送エリア内に抱え、同大学院OBが在籍するラジオ・ラブィートに番組制作について持ちかけた。同局では一昨年まで名古屋刑務所内のリクエスト番組の制作協力を行っていたことから、社会的意義が高いと判断し実現した。

 番組タイトルは、社会復帰を意味する「更生」と、「公正」な情報が届けられることで非行少年や家族らの当事者が社会に立ちはだかる壁を乗り越えるとともに、地域住民の心の壁をなくしていくという思いを込めて、進行役の芳賀さんと高坂さん、番組ディレクターの3人で考案した。

 番組では、成人年齢の引き下げに合わせて改正少年法が施行されるなど、罪を犯した若者を巡る環境が変化する中で、非行や犯罪から立ち直った当事者たちの経験を共有し、若者たちが罪を犯す背景、非行や犯罪を防ぐ方策を考えていくことをテーマに、毎回、同NPOとつながりのある少年院・刑務所経験者や支援者をゲストに招き、罪を犯した人の立ち直りのプロセスを語ってもらうことで、罪を犯した人の立ち直りを支援や被害者支援活動への啓発を行うとしている。

 進行役を務める芳賀さんは「新聞は記者のフィルターを通して伝えるが、ラジオは当事者本人が語る声をそのまま伝えられるので、よりリアルに感じてもらい、非行少年らを取り巻く実情を伝えることができるのでは」と話し、高坂さんは「困っている当事者や保護者にとって必要な情報を届けられるとともに、これまで非行を遠い存在と感じていた人が関心を持つことで、立ち直り支援につながれば」と期待を寄せる。

 番組はコミュニティーFM「ラジオ・ラブィート」(FM78.6MHz)で放送。放送時間は火曜19時30分~20時(再放送=日曜23時~23時30分)。

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