ベトナム人居住者を対象とした防災訓練が9月3日、集合住宅「ビレッジハウス田中・田中第2」(豊田市田中町4)で行われた。
この集合住宅は、国により整備され2017(平成29)年度に廃止された「雇用促進住宅」をリノベーションし、低価格の賃貸住宅として展開しているビレッジハウス・マネジメント(東京都港区)が管理・運営。約400世帯が居住し、うち半数近くに当たる約180世帯が外国人入居者で、中でもベトナム人が100世帯ほどで約 6 割を占めている。
今回の訓練は、ベトナム人入居者が増加する一方で、日本特有の災害情報や避難所の案内が十分にできていないことから、防災イベントでの講義や体験を通して災害時の適切な行動を学ぶことで防災・減災意識を高めてもらおうと管理会社が企画した。
当日は、入居するベトナム人24人が参加。管理会社でベトナム語通訳を担当するスタッフが日本語でのコミュニケーションが困難な人をサポートする中、講師を務める防災士から地震発生時の初動対応をはじめ、避難の手順、日本特有の避難所生活のルールなどを学んだ。
ワークショップでは、地震発生時に身を守るための行動を確認するシェイクアウト訓練も行われ、建物が揺れた際に頭を守り机の下に身を隠すなどの初動対応を体験。後半は、参加者全員で避難所に指定されている美山小学校まで5~6分の道のりを歩いて避難経路を確認した。
訓練を企画したビレッジハウス・マネジメントの平田陽一事業戦略本部長は「製造業が盛んな愛知などにはベトナム人住民が増えている。母国と日本では災害の傾向が違う中、安全に暮らしてもらえるように訓練を企画した。参加者からは『知識はあったが実際に体験することで避難行動が確認できて良かった』という声が寄せられた。今後も日本で安全安心に過ごしていただけるよう情報を伝えていきたい」と話す。