豊田市出身のラッパー「Playsson(プレイソン)」さんが12月25日、保見団地の通称「中公園」(保見団地3号公園・豊田市保見ケ丘1)で同団地に暮らす子どもたちにクリスマスプレゼントを贈るチャリティーイベントを行った。
ラッパーがサンタクロース プレイソンさん、保見団地でプレゼント贈る
保見団地は1970年代に建設された約4000戸のマンモス団地で、1990年代にブラジルなどからの日系人が移り住み、現在でも団地がある「保見ヶ丘」の人口約6500人のうち6割近くがブラジルやペルーなど外国にルーツを持つ住民が暮らしている。
プレイソンさんは1997年にブラジルで生まれ、13歳の時に母親とともに来日し祖母が暮らす同団地に移住。20歳までの約7年間、同団地で暮らしラッパーとしてのキャリアを重ね、現在は名古屋に拠点を構え本格的に音楽活動を行っている。
クリスマスソングを作る際、「一戸建ての家とは違い、煙突がない団地にはサンタクロースは来られない」と思い、自分が団地のサンタになろうと思い、同イベントを企画。「自分が育った保見団地で暮らす子どもたちに、壁を乗り越えて成功を収めた自分の姿を見てらもうことで、自らの未来に希望を持ってもらいたい」という思いで、3年前から同団地で行っている。
当日は、プレイソンさんや有志らが同団地内の中公園にプレゼントを準備すると、同団地に暮らす約50人の子どもたちは一列に並び、玩具と菓子が詰まったサンタブーツ、「スイングローラー」という乗用遊具の3点を一人ずつ受け取ると、「ありがとう」と笑顔でプレイソンさんらに感謝の言葉を述べる様子が見られた。
同イベントに賛同した市民団体「とよたクルー」のメンバーによる、お汁粉の振る舞いやビーズクッションを使ったワークショップ、菓子まきも行われ、子どもたちはクリスマスの特別な雰囲気を思い思いに楽しんでいた。
プレイソンさんは「子どもの頃に受けた愛と優しさはずっと記憶に残る。自分も小さい頃に受けた愛と優しさのおかげで悪い道から立ち直ることができた。ここにいる子どもたちが、大人になった時に人に思いやりや愛を与えられる優しい人になってほしい」とほほ笑んだ。