
少年院在院生と少年院出院後に生き直しの道を歩んでいる出院者たちが作成した「俺たちの日めくりカレンダー」の贈呈式が3月3日、愛知少年院(豊田市浄水町)で行われた。
少年院生とNPOが共同製作した日めくりカレンダー、愛知少年院で贈呈式
同取り組みは、少年院出院者らの社会復帰を支援しているNPO法人「再非行防止サポートセンター愛知」(名古屋市守山区)が、少年院生や出院者からメッセージを集めて日めくりカレンダーを作り、少年院生に使ってもらうことで再非行を減らすきっかけにしようと企画したもの。全国初の取り組みとして法務省矯正局少年矯正課や名古屋矯正管区、愛知少年院など関係機関と協議を重ね、共同製作が実現した。
今回完成したのは、少年院在院生や少年院出院者が過去や未来の自分に向けて伝えたい言葉を綴った30字以内のメッセージを日付とともに掲載した1カ月の卓上式の日めくり形式で500部を製作。費用はクラウドファンディング(CF)で募り、全国から応募者が殺到し、募集開始から4日目の17日朝には目標額に達した。
贈呈式は少年院内の視聴覚室で行われ、製作に携わった在院生8人にNPOスタッフ8人から出来上がったばかりのカレンダーが手渡された。在院性の代表は「自分の言葉で人を傷つけてしまってきたが、カレンダーに書いた言葉が誰かの役に立てば」と喜びをかみしめた。
同NPOの高坂朝人理事長は「社会に出て生き直しの道を歩む少年院出院者と社会復帰に向けて自らと向き合う在院生が、一緒に日めくりカレンダーの製作に取り組んだ経験は、彼らにとって大きな自信につながる。日めくりカレンダーに書かれた言葉が、在院生たち一人一人の心に届き、彼らの立ち直りにつながれば」と期待を寄せる。