「郷土玩具展 干支と午(うま)」が現在、豊田市民芸館(豊田市平戸橋町)の第3民芸館ギャラリーで開催されている。
来年の干支である「午」をモチーフにした張り子や土人形、土鈴など、全国の地域性に富んだ温かみのある郷土玩具を37都府県から約100種類・300点集め、展示している。
午は昔から、農業や物を運ぶなど人間の生活の中ではなくてはならない存在であったということもあり、展示数は今までにない多さとなっている。
会場には、千葉県の「真菰馬(まこもうま)」や栃木県鹿沼の「きび殻細工」など、その地域で使われていたものを生かして作られた「稲馬(いなうま)」や、木彫りの馬の玩具として、「日本の三駒」と言われる宮城県の「木ノ下駒」、福島県の「三春駒(みはるごま)」、青森県の「八幡駒(やわたごま)」では、馬の形や、色・模様の違いを楽しむことができる。
雨を祈る時に神社に黒馬を奉納していた習慣が絵馬となり、献上するために飾られた黒馬が描かれている奈良県の手向山(たむけやま)八幡宮の「立て絵馬」、馬の頭の形をしたものを串に刺した愛知県竜泉寺の「串馬」や、笠寺の わら細工である「福馬」などを紹介。歌舞伎を題材に、馬にまたがる武将の様子を表した色鮮やかな土人形など、さまざまな地域の特色を持つ玩具も並べる。
同館学芸員の岩間千秋さんは「毎年恒例の干支をテーマにした郷土玩具展は今年で11年目。今回は土人形や張り子、土鈴だけではなく、わらを素材にした稲馬などがたくさんあるのが特徴。今までで一番にぎやかで楽しい展示となったので、この機会にご覧いただけたら」と呼びかる。
開館時間は9時30分~17時。12月28日~1月4日と1月12日を除く月曜休館。観覧無料。2月1日まで。