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豊田市美術館で企画展「ホー・ツーニェン 百鬼夜行」 作品「100の妖怪」も

最も大規模な作品「100の妖怪」は、百鬼夜行の様子をアニメーションで表現した作品。

最も大規模な作品「100の妖怪」は、百鬼夜行の様子をアニメーションで表現した作品。

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豊田市美術館(豊田市小坂町)で現在、企画展「ホー・ツーニェン 百鬼夜行(ひゃっきやこう)」が開催されている。

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 ホー・ツーニェンさんは、映像、インスタレーション、サウンド、演劇といった多くの領域を横断しつつ、時に妖艶に、ダイナミックに見る人を魅了しながら、出身地のシンガポールを軸にアジアを舞台にした作品を展開するアーティスト。豊田市では、「あいちトリエンナーレ2019」の豊田会場となった喜楽亭で「旅館アポリア」という作品を発表しており、今回の作品は日本をテーマとしたプロジェクトの第3弾。近代から現代までの日本の大衆文化を反映してきた妖怪に焦点を当て、戦争を挟んだ日本の文化や精神史を浮かび上がらせる展示となっている。

 4つの展示室を使って開催している同展。最も大規模な作品「100の妖怪」は百鬼夜行の様子をアニメーションで表現した作品で、「だいだらぼっち」「ろくろ首」など、日本ではなじみの深い妖怪をはじめ、軍人やスパイ、思想家なども妖怪の姿を借りて出現している。

 百鬼夜行を映す大型スクリーンの手前に置かれた小さなスクリーンには、さまざまな時代の「眠る人」の姿が映し出され、妖怪が意識と無意識、現実と夢の間に立ち現れることを示唆する作品となっており、来場者の中には、地面に座ってゆっくりアニメーションを鑑賞する人の姿も見られる。

 このほか展示室4で行われている「1人もしくは2人の虎」では、ホー・ツーニェンさんが、アジア全体を表すイメージとして時折使っている「虎」に焦点を当て、鏑木梅渓(かぶらぎ・ばいけい)の「虎之図」や、熊代熊斐(くましろ・ゆうひ)の「虎人物図」といった歴史的な虎の絵が動き出す映像、第二次世界大戦中にシンガポールで活躍し、共に「マレーの虎」と呼ばれた2人の日本人、山下奉文(ともやす)と、1960年代のヒーロー番組「怪傑ハリマオ」のモデルになった谷豊の映像をそれぞれ上映し、近代日本が歩んできた複雑な歴史や精神性を感じさせるようにした。

 開館時間は10時~17時30分。月曜休館(祝日は開館)。入場料は、一般=1,000円、高校生・大学生=800円、中学生以下無料。2022年1月23日まで。

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