「第10回いなかとまちの文化祭」が11月7日、豊田市駅東口まちなか広場「とよしば」と隣接する「ギャザ南広場」(豊田市喜多町1)で開催された。
同イベントは、市域の7割を山村地域が占める豊田市において、いなかとまちの交流を通じて、自分たちが暮らす地域をもっと良く、もっとみんなが幸せになれる場所にしたいという思いで一般社団法人「おいでん・さんそん」、同市内の農業や食、文化などを紹介しているフリーペーパー「耕Life(こうライフ)」の発行元「こいけやクリエイト」、その他、個人有志らで構成する同文化祭実行委員会が主催し、毎年この時期に開いている。
今年は「あなたがだいじ、私がだいじ~この世界で共に生きる」をテーマに、誰もが「自分はここにいてもいいのだ」と思え、生き生きと輝けるような居場所について考え、誰一人例外なくとりこぼさない地域づくりについてのヒントとなることを目指したという。
「こころを耕す暮らしのマルシェ」と題し、山村地域の食材を使った料理や雑貨などの販売ブースをはじめ、木工工作やまき割り、ヤギとの触れ合い体験ブース、矢作川の生き物の展示など26ブースを展開。
「とよしば」のウッドデッキに設けたステージでは、林業従事者らで構成するバンド「岡森フォレスターズ」や旭地区在住の2人の音楽家らが指導する「山里合唱団こだま」、同市内で三味線教室を開いている「芳泉会」などによる演奏をはじめ、福祉や介護、農業などに従事するパネリストが登壇するシンポジウムなどが行われ、会場は終日、家族連れなどでにぎわいを見せた。
イベント終盤には、豊田市石野地区の消防団員で結成したロックバンド「消防ロッカーズ」がステージに上がり、ビートルズやローリングストーンズなどの洋楽のヒット曲を消防団にまつわる内容の歌詞でアレンジして熱唱し、イベントの締めくくりを盛り上げた。
イベントを担当した一般社団法人おいでん・さんそん職員の田中さんは「出店者を含め、会場に幅広い年代の人が参加してくれた。来場者が自分の興味のままに思い思いに楽しんでいる様子に、今年のテーマに掲げた、そのままの空間が表れているように感じた」と話し、イベント開催に手応えを感じたという。