企画展「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」が現在、豊田市美術館(豊田市小坂本町8)で開かれている。
豊田市美術館で「フランク・ロイド・ライト」展 国内では26年ぶり
フランク・ロイド・ライトはカウフマン邸やグッゲンハイム美術館の建築などで知られるほか、現在は博物館明治村に一部移築されている帝国ホテル二代目本館や「自由学園明日館」などの建築を手がけ、日本にゆかりのあるアメリカ近代建築の巨匠。
今回の企画展は、国内では26年ぶりとなるフランク・ロイド・ライトの本格的な回顧展で、ライトによる建物の設計図や都市の計画図、デザインを手がけた家具、出版物を通して限定的にしか見ることができなかった「精緻で華麗な」図面・建築ドローイングなど約430点を展示している。
展示は、「モダン誕生 シカゴー東京、浮世絵的世界観」「輝ける眉からの眺望」「進歩主義教育の環境を作る」「交差する世界に立つ帝国ホテル」など、ライトのこれまでのキャリアを振り返る構成になっている。
中でも、今年100周年を迎えた帝国ホテル二代目本館について紹介した「交差する世界に立つ帝国ホテル」の展示では、窓や植木など細部まで書き込まれた鳥瞰(ちょうかん)図や建物の全体を3Dプリンターで復元したものなどを展示。ライトが細部まで手がけた総合的なデザインの美しさや、巧妙な空間演出を感じることができるようにした。
「ミクロ/マクロのダイナミックな振幅」では、人間生活において最も必要とされているものは「完一性」であると考えるライトが、そこに住む人の体の大きさと、その人の尺度に合わせて生活できるように考案した「ユーソニアン住宅」の室内の一部を再現。来場者は、室内の感覚を実際のスケールで体験することで、扉や間仕切りがない中でもプライバシーが確保される細かな工夫や、自然の素材を生かしたことによる室内の温かみを体感できる展示となっている。
開館時間は10時~17時。月曜休館。入館料は、一般=1,400円 高校生・大学生=1,000円 中学生以下無料。12月24日まで。