空き家の解消へ向け、家を借りたい人が希望する物件をウェブサイトに掲載して大家が貸し出しに応じる不動産サービス「さかさま不動産」が豊田市内で始まる。記念イベントが2月7日、コミュニティースペース「kabo.」(豊田市竹生町)で開かれた。
「さかさま不動産 豊田支局」開設 空き家利活用とにぎわい創出へ
「さかさま不動産」は物件の情報を公開して借主を募集する従来の仕組みとは逆で、「借りたい人」の情報を開示してマッチングをするサービス。
貸し手は、借り手の思いに共感・応援し物件を貸し出す仕組みで名古屋市を中心に始まり、豊田市では、地域課題などに取り組む「なんつな」(豊田市平戸橋町)と薪(まき)ストーブの販売などを手がける「木かんしゃ」(太田町)が共同で支局を開設した。
全国15番目となる「いなかとまち豊田支局」では、いなか(山間部)を「木かんしゃ」、まち(市街地)を「なんつな」が主に担当し、山間部と都市部それぞれの課題解決に取り組む。
開局記念イベントでは、全国のさかさま不動産で成立した契約の例などを紹介。続いて、管理栄養士や山間部へ移住希望する女性ら4組が空き家を活用した事業に関するプレゼンテーションに臨み、数年後から5年後に向けた事業のビジョンで熱弁を振るった。
なんつな社員の澁澤寿一さんは「世の中お金が有り余り、世界中がバブル(経済状態)で、こんな資本主義は続かない。これからの世の中でお金に代わる新たな価値は共感や繋がりだと思う。皆で中山間地の持つ人の繋がりや空き家などの財産を共有し、共感しながら新しいことに取り組んでいきたい」と意気込む。