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少年院経験者らが語る番組「コウセイラジオ」 ギャラクシー賞入賞

コウセイラジオの企画・構成、パーソナリティーを務める芳賀美幸さん(左)と高坂朝人さん(右)。

コウセイラジオの企画・構成、パーソナリティーを務める芳賀美幸さん(左)と高坂朝人さん(右)。

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 少年院や刑務所入所経験者や家族らの実情を当事者本人が紹介する、コミュニティーFM「エフエムとよた(愛称=ラジオ・ラブィート)」の番組「コウセイラジオ~break through the wall~」の取り組みが「第61回ギャラクシー賞」報道活動部門で入賞した。

少年院経験者らが語る番組「コウセイラジオ」 ギャラクシー賞入賞

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 「ギャラクシー賞」は、NPO法人放送批評懇談会が日本の放送文化の質的な向上を願い、優秀番組・個人・団体を顕彰するために、1963年に創設。審査は放送批評懇談会会員から選ばれた選奨事業委員会が担当し、テレビ、ラジオ、CM、報道活動の四部門制をとっている。

 同番組は、大手新聞社記者で、名古屋大大学院情報学研究科に在学していた芳賀美幸さんが、受刑者自らが発信する「刑務所ラジオ」などを研究する中で企画。芳賀さんが記者として取材活動で出会った、非行当事者の社会復帰を支援するNPO法人「再非行防止サポートセンター愛知」の高坂朝人理事長が番組を進行している。

 番組タイトルは、社会復帰を意味する「更生」と、「公正」な情報が届けられることで非行少年や家族らの当事者が社会に立ちはだかる壁を乗り越えるとともに、地域住民の心の壁をなくしていくという思いを込めて、進行役の芳賀さんと高坂さん、番組ディレクターの3人で考案した。

 2023年4月からは愛知少年院(豊田市浄水町)内で毎週土曜の午前に放送され、9月には入所者が執筆した詩を朗読するコーナーも始まり、少年院と地域社会を、ラジオ番組を通じて相互につなぐ取り組みを行っている。

 今回の入賞は、パーソナリティーの芳賀さんが所属する中日新聞に定期的に関連記事を掲載したことと、CATV「ひまわりネットワーク」と連携、一部番組を映像版として再構成し、ユーチューブ配信し周知を図った「再非行防止啓発活動」が評価されたもの。中日新聞社・ひまわりネットワークとの3社共同受賞となった。同局の作品・活動がギャラクシー賞に入賞するのは開局以来初。

 今回は「コウセイラジオ」を含む6本が「報道活動部門に入賞。大賞1本、優秀賞2本、選奨3本が選ばれ、5月31日に東京で開催される贈賞式のステージで発表される。

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