「第22回戦争の話と詩を朗読する会」が8月23日、益富交流館(豊田市志賀町)で開かれた。
益富交流館で「平和のつどい」 戦争を後世に伝え平和の尊さ考える
戦争の悲惨さ、残酷さを知り、命や平和の大切さを共に考え、今の平和を次世代に語り継いでいこうと、有志らで構成する「戦争のことを語り継ぐ会」と益富地区コミュニティ会議が主催し、毎年この時期に開いている同会。戦争体験談、合唱、詩の朗読など5部構成で行われた当日は、地元の住民ら約100人が参加した。
第1部の戦争体験談では、「戦時中のくらし(子ども時代)」と題し、近隣の志賀ニュータウン在住の山内智勝さんが少年時代の体験を語った。
山内さんは1936(昭和11)年、福岡県福岡市生まれ。翌年には旧満州大連市に移住し、1943(昭和18)年に父親の死により一時故郷の福岡市に帰国するも、翌年、再び旧満州吉林市に移住。終戦のため1946(昭和21)年に日本に帰国した。
一時帰国し福岡で暮らしていたころ、戦局が厳しくなるにつれ、食料や物資が不足し配給制度が敷かれたため、家庭菜園をしてカボチャを育てたり、ニワトリやウサギを飼育したりするなどの工夫をして食料を調達していたこと、被災した際に救助しやすいよう服には氏名・住所・血液型を記した名札を付けることが義務付けられていたことなど当時の様子を紹介。
現在も戦闘が繰り広げられ多くの市民が犠牲となっているウクライナやパレスチナのことにも触れ、物資不足で困ることなく、安心して生活できる平和な日常が続けられることの尊さを説いた。
講演に続いて、きらきらハーモニー合唱団と梅坪ちびっこ合唱団、コール「結」が平和への思いを込めた歌声を披露したほか、朗読グループ「ののはな」が戦争にまつわる詩の朗読を行い、過去の戦争体験を共有することが平和な日常を守る上で不可欠であることを訴えた。