「豊田みよし己書(おのれしょ)作品展2025」が現在、国の登録有形文化財「喜楽亭」(豊田市小坂本町1)で開かれている。
己書は、1970年代後半から名古屋を拠点にデザイナーとして活動し、飲食チェーンの「赤から」や、たい焼き店などの文字デザインを手がけた杉浦正さんが、創作活動の中から新たに生み出した書道。自らの個性を生かして自由に文字を描き、絵のようなデザインを持った文字が並ぶのが特徴。書き方には簡単なコツはあるが、ルールはなく、書き方や文字の書き順にとらわれることなく自由に筆を走らせ、独自の世界観を楽しく表現している。
同展は、豊田市・みよし市を拠点に教室を開いている一般社団法人日本己書道場豊田みよし師範会が主催しているもの。喜楽亭での作品展開催は3年半ぶりで、かつて料理旅館や貴賓・著名人の宿泊所として用いられ、2013(平成25)年に国の有形文化財に登録された会場に、小学生から89歳まで幅広い世代の門下生が手がけた作品約1400点を展示。師範による無料体験会やスタンプラリー企画も行っている。
豊田みよし師範会の広瀬晴美代表は「この機会に、個性あふれる己書の世界を楽しんでもらえれば」と来場を呼びかける。
開館時間は10時~17時。観覧無料。11月9日まで。