豊田スタジアム(豊田市千石町2)で、5月14日、5G環境を活用して複数メーカーのロボットを一括制御する公開実験が開発関係者と報道機関向けに行われた。
これは、愛知県と公益財団法人科学技術交流財団が実施している「知の拠点あいち重点研究プロジェクト3期」のプロジェクトの一つで、名古屋大学発のベンチャー企業「オンクラウズ」(名古屋市中村区)と自動車設備メーカー・新明工業(豊田市衣ヶ原3)、名古屋大学の研究グループが開発した複数の自律移動ロボットの制御を行うロボットプラットフォーム「Robot as a Service(ラーズ」)の実証実験。
実験に先立ち、研究リーダーを務めるオンクラウズ社長の清水政行さんが、開発したロボットプラットフォームや今回行う実験の内容について説明。実験では始めに、豊田スタジアムの5G環境を活用し、会場内を巡回する警備ロボットが撮影した画像がリアルタイムでパソコンに送信される模様を紹介。続いて、3台のロボットの巡回ルートが重なり、ロボット同士が衝突しないように回避する場面の実演も行われた。
参加した開発関係者らは、ロボットに組み込まれているシステムに関して質問したり、移動するロボットの前に立ち障害物を避けられるのか自ら確認する様子も見られたりするなど、関心の高さが見られた。
清水さんは「人通りが多い場所でもロボットをスムーズに動かせる仕組みを作ることが課題」と話し、今後の展望として、「将来は空港や駅などでの活用を計画している」と述べ、さらなる技術向上に意欲を示した。