豊田市民文化会館(豊田市小坂町12)で1月14日、「令和4年度豊田市議会 市民シンポジウム」が開催された。
同シンポジウムは、市民に分かりやすく開かれた議会の実現を目指すとともに、これからのまちづくりを市民と共に考えていくため、2011(平成23)年度から開催しているもの。
今回は、市役所のDX(デジタルトランスフォーメーション)が進むことで、市民の暮らしがどのように変化していくのか考える機会にしてもらおうと、「データ活用で変わる社会~豊田市のDXとわたしたちの暮らし~」をテーマに開いた。
当日は175人が来場。第1部では、「データ活用で変わる社会~脱皮できない蛇は死ぬ~」のタイトルの下、三菱総合研究所主席研究員の村上文洋さんが基調講演を行った。
その中で村上さんは、「徹底的なデジタル化で社会全体の生産性を向上させて時間を稼ぎ、この間に少子化対策の効果を出し、人口を横ばいまで持ってくることが必要。デジタル化は、その手段」と説明。前例や常識にとらわれず、やらなくてもいい事をやめたり、利用者のニーズに合わせ窓口などの入り口は多様性を確保したりしつつ、内部の業務をデジタルで統一・完結できるようにするなど、柔軟な働き方を取り入れることなどDX導入に関するポイントを解説すると、参加者は真剣に耳を傾けていた。
第2部では村上さんがコーディネーターとなり、「市民一人一人に合ったサービスのために」のタイトルでパネルディスカッションを行った。テーマは「移動サービスの課題と将来像」。乗合送迎サービスや福祉支援を行っている企業や団体、市の職員や市議会議員をパネリストに迎え、利用者が何を望んでいるのかという視点で意見交換や発表が行われた。来場者からは「今後、日本が維持できなくなるという話に驚いた」「まず自分たちにできることは、会議の内容を変えることと聞いて、自分の会社でも取り組んでみたいと思った」「海外と比較すると、まだ遅れていると思うので、ぜひとも挽回して元気な日本をつくってほしい」などの声が聞かれた。