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中学校部活動の地域移行シンポジウム 産学官で今後に向けた議論交わす

「こどもたちのスポーツ・文化活動を考えるシンポジウム」で行われた意見交換会の様子。

「こどもたちのスポーツ・文化活動を考えるシンポジウム」で行われた意見交換会の様子。

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 「こどもたちのスポーツ・文化活動を考えるシンポジウム」が2月11日、豊田市民文化会館(豊田市小坂町12)で開かれた。

中学校部活動の地域移行シンポジウム 産学官で今後に向けた議論交わす

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公立中学校における休日の運動部の部活動を地域のスポーツクラブや民間企業などの外部に移行する部活動改革が昨年6月、スポーツ庁での有識者会議で提言された。これを受け、2023年度からの3年間を「改革推進期間」として地域移行が進められることから、主催は豊田市と豊田市教育委員会が開いた。

 当日は、教職員や行政関係者をはじめ、地域のスポーツクラブや文化団体の関係者、中学生の保護者ら約200人が来場した。

 冒頭、あいさつに立った太田稔彦豊田市長は「子どもは地域の宝だというが、地域と子どもは接点を失っている。地域の人たちが子どもに何を伝えていかなければいけないのか、少しずつ議論を積み重ねて、考えていく機会にしてもらえれば」と述べ、シンポジウム開催の意義を強調した。

 シンポジウムは3部構成で、初めに活動の地域移行に取り組んでいるスポーツ庁地域スポーツ課課長補佐で、運動部活動改革専門官の田口雅紀さんが「運動部活動の地域連携・地域移行と地域スポーツ環境の整備について」と題して基調講演を行った。

 田口さんは、運動部の参加者が1年で5万人程度減少していることや、ピーク時は8割だった参加率が現在は6割を下回っていることなど、中学校における運動部活動の課題について説明。少子化の影響で一つの学校だけでは部活動が成立しない現状や勝利至上主義による過度な指導、教師の負担増などの課題を挙げ、部活動改革の必要性を示した。併せて、2023年度以降で予定している国の方針や今後の動向について先行事例を交えて紹介した。

 続く、シンポジウムの第1部では、豊田市や豊田市教育委員会の取り組みについての事例発表が行われ、豊田市教育委員会学校教育課の小山幾子課長が市内のモデル校の概要について紹介。2021年度からモデル校として地域連携型部活動に取り組んでいる竜神中学校の若月めぐみ校長が、人材や練習場所の確保などの具体的な取り組み内容、教員に代わり休日の部活動を担当する地域指導者の成果について、現場の映像を交えて取り組みを発表した。

 第2部の意見交換会には、中京大学やトヨタ自動車をはじめ、スポーツや文化活動に携わる団体などから8人のパネリストが登壇し、トヨタ自動車所属のトップアスリートによる学生たちへの指導や文化活動に関する取り組みについて議論が交わされた。専門家の立場として中京大学スポーツ科学部の中野貴博教授は「豊田市は知見を持つ組織・団体があり、人材に恵まれている。さまざまな立場や水準のニーズに合わせた多くの選択肢が必要で、地域移行を進めた場合、受益者負担があっても必要とされるよう多様な視点で運営していくことが必要」と提言し、これまでの部活動のあり方を見直す必要性を訴えた。

 シンポジウムでは、同市が3月をめどに2026年度以降の方針を検討する協議会を設置することを明らかにしている。

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