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豊田市美術館で企画展「未完の始まり:未来のヴンダーカンマー」

企画展「未完の始まり:未来のヴンダーカンマー」が行われている豊田市美術館。

企画展「未完の始まり:未来のヴンダーカンマー」が行われている豊田市美術館。

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 企画展「未完の始まり:未来のヴンダーカンマー」が1月20日、豊田市美術館(豊田市小坂本町8)で始まった。

豊田市美術館で企画展「未完の始まり:未来のヴンダーカンマー」

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 ヴンダーカンマーとは、15世紀から18世紀にかけて「驚異の部屋」と呼ばれ、絵画や彫刻に加え、動物のはく製や植物標本、地図や天球儀、東洋の陶磁器など、世界中のあらゆる美しいもの、珍しいものが集められていた博物陳列室のことで、美術館や博物館の原型とされている。

 同展は、同館の隣接地に4月、豊田市博物館が開館するにあたり、改めてミュージアムと社会の関係や、展示における政治的・美学的意義を探り、国や地域のアイデンティティーとは何か、画一化していく世界の中で伝統はどうなっていくのかなど、未来向けて問いかける内容となっている。「日本、メキシコ、ベトナム、中国、ロシア出身の作家5人が、それぞれが出自も作風も違う中、事物の新たな姿や意味を見出している」という。

 今回唯一の日本人作家・田村友一郎さんは、京都を拠点に、土地固有の歴史や文化、大衆の興味などに基づく幅広い題材をつなぎ合わせ、映像を含むインスタレーションを制作している。今回は「チタン」と「人間の骨」をテーマに、人類と宇宙人の物語が構築され、42台のiPhoneを使ったUFOや、iPhoneのガラスを砕いて作ったゴルフ場のバンカーなど、人類の技術の進展とフィクションを融合させた作品を作り上げている。

 担当した学芸員・能勢陽子さんは「5人の作家は、それぞれ育った背景が全く違うので、作品に向き合ったときに、作家の見えない部分の背景、歴史を想像して一緒に見ていただければ」と見どころについて話す。

 開館時間は10時~17時30分。月曜休館。入館料は、一般=1,500円、高校・大学生=1,000円、中学生以下無料。5月6日まで。

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