豊田市美術館(豊田市小坂町8)で6月7日、企画展「交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー」が始まった。
「交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー」 豊田市美術館で開幕
1910年代から第一次世界大戦を挟んで1930年代にかけて、ドイツやフランス、オーストリアなどヨーロッパの国々と日本において、芸術家たちが国やジャンルを越えて交流し、装飾芸術やモダンデザインが展開した歴史を紹介する同展。会場には、家具や食器、洋服、室内装飾、絵画など過去最多となる約400点を展示。1914(大正3)年に勃発した人類史上初の世界大戦を契機に、大量生産が普及して世界が一気に同期するなど、急速に変化する社会の中で、各国の作家たちが互いに影響し合い、それぞれが探求していった「モダン」の形について紹介している。
会場では、ドイツを中心に展開していった機能主義に基づく「モダニズム」の思想を反映した椅子をはじめ、直線や幾何学模様が特徴で生活全般に関わるデザインを手がけてきた「ウィーン工房」で、第一次世界大戦の影響により女性職人が重要な役割を担った時代のテキスタイルや家具、芸術・ファッションのリーダーを自負しつつも、ドイツやウィーン工房の台頭に影響を受け発展していった仏パリの作家による洋服や絵画、ヨーロッパに渡って工芸デザインや商業デザインを学び、日本で新しい生活様式を模索した森谷延雄や斎藤佳三らの作品に至るまで、幅広いジャンルの作品を通じて、それらが誕生した時代背景や、国やジャンルを超えて互いに影響し合ったことが感じられるよう工夫する。
開館時間は10時~17時30分。月曜休館(祝日は開館)。観覧料は一般1,400円ほか。前期=7月24日まで、後期=7月26日~9月4日。