豊田市美術館(豊田市小坂本町8)で10月15日、企画展「ゲルハルト・リヒター」が開幕した。
ゲルハルト・リヒターさんは1932年、ドイツ東部・ドレスデンに生まれ、90歳になる今でも現代アートの第一線で活躍する芸術家。ベルリンの壁が東西ドイツを分断する直前の1961年に西ドイツのデュッセルドルフに移住。その後、ケルンを拠点に活動を続け、60年以上に及ぶ長い芸術的実践の中で、フォトペインティング、カラーチャートをはじめ、動物画、風景画、ガラスや鏡を用いた作品など、多岐にわたる作品を生み出してきた。
同展は国内では16年ぶりとなる回顧展で、初公開となるドローイングなどを含む、1960年代の初期作品から最新作まで合わせて約140点を展示。リヒターさんの母国ドイツの第二次世界大戦時の暗い部分であるアウシュヴィッツ強制収容所でひそかに撮影された写真を出発点にした「ビルケナウ」は、2014年にようやく取り組むことができたと語る集大成的な作品も展示する。
作品は、ほぼ制作された年代順に展示し、リヒターさん自身が大切に手元に残してきた作品を中心に、60年にわたる画業を紹介している。
開館時間は10時~17時30分。月曜休館(祝日は開館)。観覧料は一般1,600円ほか。1月29日まで。