豊田市足助地区で活動している聞き書きボランティア団体「あすけ聞き書き隊」が9月11日、活動発表会「あすけ聞きフェスin百年草」を開催した。
ボランティア団体「あすけ聞き書き隊」、豊田・足助で活動発表会
聞き書きは、語り手が話した言葉をそのまま書きとめ、語り手が目の前で今まさに話しているかのような文章としてまとめていく手法。同グループはNPO法人「共存の森ネットワーク」から聞き書き手法の指導を受け、同地区に住む80歳前後の高齢者から昔の暮らしや考え方、なりわいについての話を聞き、出版する活動に取り組んでいて、豊田市の地域予算提案事業として2010~2020年度、第1~9集を発行し70人余りの高齢者の生き様を収録してきた。
当日は、足助地区の福祉施設「百年草」を会場にオンラインも併用して開催し、37人が参加した。始めに聞き書き手法や作品構成など、初心者でも作品を完成できるように講座を開いたことや聞き書き集の音声化、豊田市戦没者遺族連合会や豊森なりわい塾との交流など、主な活動について報告した。
続いて、昨年度オーディオブック化した作品のダイジェスト音源を再生。ナレーションを担当した地元コミュニティーFM局「ラジオ・ラブィート」パーソナリティーの葵真弓さんがコーディネーターを務め、活動に取り組んでいる同団体代表の浦野友理さん、取材を担当した井上美知代さん、庄司美穂さんの3人が制作に携わってきた際のエピソードについて議論を交わした。
その後、取材を受けた6人の話し手が、取材を担当した聞き手と共に登壇し、取材を受けた時の感想や作品集の中で語った話題について紹介。作品集には掲載していないエピソードを、ユーモアを交えて紹介する場面もあり、会場は笑いに包まれた。
「あすけ聞き書き隊」代表の浦野友理さんは「お互い顔を合わせ、温かい雰囲気の中で開催できて良かった。足助の聞き書きの魅力を知ってもらい、少しでも活動の輪が広がれば」と笑顔を見せる。