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豊田市コンサートホールで「とよた防災コンサート」 47災害の教訓を共有

フィナーレで演奏する豊田市出身のバイオリニスト・大光嘉理人さんとピアニスト・渡辺友梨香さん

フィナーレで演奏する豊田市出身のバイオリニスト・大光嘉理人さんとピアニスト・渡辺友梨香さん

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 豊田市コンサートホール(豊田市西町1)で1月21日、「とよた防災コンサート」が開催された。

豊田市コンサートホールで「とよた防災コンサート」 47災害の教訓を共有

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 主催は、市民や地域の防災・減災意識の向上と普及を図ることを目的に、豊田市や豊田市社会福祉協議会、愛知工業大学、あいちNPO市民ネットワークなどで構成する「とよた防災啓発推進協議会」。本年度が藤岡・小原地区を中心に豊田市で大きな被害をもたらした1972(昭和47)年7月豪雨(いわゆる「47災害」)から50年の節目に当たることから、音楽や映像を通して住民の心を通い合わせ、豊田市民が豪雨災害の教訓を共有し合える機会を設けようと企画した。

 「47災害から50年 みんなで学ぼうさい!」と題して行われた同コンサートには市民ら600人余りが来場。コンサート3部構成で行い、最初に豊田市消防音楽隊が「銀河鉄道999」「となりのトトロメドレー」などのアニメ主題歌や「花は咲く」など4曲を演奏。続いて、豊田市ジュニアオーケストラの選抜メンバーによるアンサンブルTJOがブラームス作曲「舞曲第5番」やAKB48 の「365日の紙飛行機」などなじみのある4曲を披露した。

 演奏の合間には、矢作川流域圏懇談会山部会の部会長を務める東京大学大学院の蔵治光一郎教授が「防災と森林の関わりについて」と題した講演を行い、中部地方は20年以上豪雨災害が発生していないが、いつ起きても不思議ではないと注意喚起。「22年前に発生した東海豪雨では、土砂崩れで流れてきた60年分の流木を矢作ダムで止めることができたが、もしダムが決壊し流出していたら下流である豊田市街地に甚大な被害が出ていたかもしれない。東海豪雨を参考にハザードマップを制作しているが、流木が橋などに引っかかると、想定しない水害が発生する恐れがあるので、その危険を認識してほしい」と来場者に呼びかけた。

 続いて、「47災害の記憶・体験を伝承」と題したパネルディスカッションが行われ、小原地区で被災し語り部として自らの経験を語り継いでいる永井保徳さんと、藤岡地区で消防団員として救助活動に携わった山内一美さんらが、当時の様子や豪雨災害の恐ろしさを語った。

 フィナーレには、同市出身で東京芸術大学大学院を修了したバイオリニスト・大光嘉理人さんと同大大学院在学中のピアニスト・渡辺友梨香さんが、映画音楽として知られるクラシック楽曲を披露し、イベントを締めくくった。

 とよた防災啓発推進協議会の酒井保彦会長は「満席に状態で多くの人に来場していただき関心の高さがうかがえた」とコンサートの手応えを話す。

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