学ぶ・知る

豊田・足助地区の重要文化財「旧鈴木家住宅」 部分公開始まる

国の重要文化財の「旧鈴木家住宅」

国の重要文化財の「旧鈴木家住宅」

  • 14

  •  

 国の重要文化財である「旧鈴木家住宅」(豊田市足助町)の部分公開が8月4日、始まった。

豊田・足助地区の重要文化財「旧鈴木家住宅」 部分公開始まる

[広告]

 旧鈴木家住宅は2013(平成25)年に重要文化財に指定され、2014(平成26)年度から豊田市が保存整備工事を続けてきた建物。この度、街道沿いの主屋の復元が完成したことから部分公開を始めた。

 部分公開に先立ち、前日に内覧会が行われ、冒頭、太田稔彦豊田市長が「一人でも多くの人にこの場所に来てもらい、日本の素晴らしさを改めて評価していただく拠点として、この『紙屋 鈴木家』の16棟にも及ぶ建屋が生かされることを心から願っている。皆さんにはこれからも関わってもらい、一緒に新しい歴史を作っていただきたい」とあいさつした。

 続いて、保存・修理責任者で公益財団法人文化財建造物保存技術協会の小薬恒さんが「今回は建物が整った1896(明治29)年ごろの姿に復旧するという方針の下、工事を進めてきた。主屋にある帳場・奥店の2部屋は、大工小屋の中に床組の材料が保管されていたため、その材料を補修して実際に使っている」と建物の見どころなどを紹介。外観について、日本伝統の壁塗りの様式の一つである「海鼠(なまこ)壁」や調査の最中に1枚だけ発見された「海鼠瓦」が屋根に使われていること、室内のすすけた壁などについて解説した。この中で「江戸時代後期から明治時代にかけての生活や生業(なりわい)の痕跡がまだ残っている。実際に目にすることができるのは非常に珍しいもの。実際に見ることで鈴木家住宅への理解が深まっていくのでは」と話し、保存・修理の意義を強調した。

 旧鈴木家住宅の部分公開は金曜・土曜・日曜と祝日の10時~16時。入場無料。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース