国指定重要文化財の旧鈴木家住宅(豊田市足助町本町)の主屋で12月17日、「部分公開記念座談会 ~知られざる紙屋鈴木家を解き明かす~」が開催された。
座談会では、紙屋鈴木家を学び楽しむ企画「紙屋鈴木家スタディーズ」の第2弾として、建物調査や古文書を読み解いて明らかになった事柄を、調査に携わった学識者が語るもの。オンラインも併用して50人以上が参加し、紙屋鈴木家の価値や魅力を深掘りした。
始めに語り手である岐阜聖徳学園大学教育学部の秋山晶則教授ら3人から「足助という地域・三河の文化について、紙屋鈴木家を通して読み解いていきたい」とあいさつ。「足助の大商家・紙屋鈴木家について分かってきたこと」「歴史学×建築学、それぞれの専門分野から見た先生間の対話」といったテーマに沿って議論を交わした。
その後、参加者からの質問コーナーでは、文化財の修繕に時間がかかる理由についての質問や、実際に紙屋鈴木家に住んでいた人からの意見など、さまざまなエピソードが語られた。
最後に、豊田市文化財保護審議会の岩田敏也副会長は「建物だけではなく、民具なども見てもらいながら、紙屋鈴木家が栄えた当時の様子を知ってもらいたい。今後、足助のまちのにぎわいの拠点となってほしい」と期待を込めた。