国指定重要文化財「旧鈴木家住宅」(豊田市足助町)で10月3日、紙屋鈴木家スタディーズ「もっと知りたい!紙屋鈴木家文書の魅力」と題した講座が開かれた。
「もっと知りたい!紙屋鈴木家文書の魅力」 古文書の魅力を学芸員が解説
足助の町並みにある同施設では、紙屋鈴木家にまつわる歴史や文化を学ぶ講座を行うシリーズ企画を「紙屋鈴木家スタディーズ」と題して定期的に開いている。
今回は、旧鈴木家住宅に伝わる古文書類の調査時の様子や古文書の魅力などについて、古文書目録の作成に携わった一人ひとりである中京大学古文書室の学芸員・杉浦綾子さんが講演を行い、約25人が参加した。
紙屋鈴木家には江戸時代から昭和にかけての古文書が2万点以上残され、それらを整理し、どのような資料があるかを示したものが2021年に刊行された古文書目録。この目録によって、鈴木家の暮らしや商い、地域との関りなどの歴史像が浮かび上がり、大きな手がかりとなった。
講演では、古文書目録とはどういったものか、紙屋鈴木家文書の整理・調査・編集時のエピソード、特徴など、杉浦さんの目線で感じたことを交えて話を展開。普段はなかなか触れることがない古文書の調査や整理について、どのように進めたのかを順を追って説明し、その際に使われる封筒や件名カードといったツールを見せたり、蔵から文書を運び出した時のエピソードをユーモアを交えて披露したりするなどして参加者の興味を引きつけた。
目録の読み解き方のほか、当時の鈴木家の人々がどのように文書を整理し管理していたのかを、杉浦さんが独自の目線で推察するなど、古文書研究の最前線を垣間見られる内容に、参加者は時折メモを取るなどして、終始、熱心に話に耳を傾けていた。
参加者の一人は「古文書がどのように処理されて、まとめられ、出版されるのかがよく分かって面白かった」「今まで古文書に着目して見ていなかったので勉強になった」と話していた。