「好きです!とよしばフェス」が3月11日・12日、豊田市駅東口まちなか広場「とよしば」(豊田市喜多町2)で開催された。
豊田市駅東口まちなか広場「とよしば」、社会実験終了前にフェスイベント
同広場は、多様な人々が集い・交わり、アイデアと愛着が生まれ・育ち、アイデアやチャレンジの受け皿となる開かれた場にしようと、2025年を目標に豊田市駅東口に整備予定の広場の開設に向けた社会実験の場として2019年9月に開設。飲食店やイベント企画などを手がける「ゾープランニング」(篠原町)とホームページ制作や広告デザインを手がける「こいけやクリエイト」(平戸橋町)が運営事業者として共同で運営してきた。
同フェスを主催したのは、豊田市内で同施設を利用してきた個人や団体などから成る実行委員会。初日の11日は同広場をはじめ、中心市街地に点在する商業施設内の広場や公園など8会場で、音楽ライブやマルシェ、アートパフォーマンスなどが、12日には同広場で音楽ライブやダンスパフォーマンスなどが行われ、家族連れなどが来場し、にぎわいを見せた。
イベントでは「とよしば市民サミット」と題したパネルディスカッションが行われ、同広場で活動を行ってきた市民団体の代表らと、太田稔彦豊田市長、中心市街地の活性化に取り組む一般社団法人TCCMの河木照男代表理事、市街地の活性化計画に助言を行ってきたハートビートプランの園田聡さんが出席し、3年7カ月に及んだ広場活用の意義などについて意見を交わした。
この中で、進行役を務めた矢作川研究所の洲崎燈子さんが、約590件のイベントが行われてきたことを紹介。「単に場所を提供するだけでなく、運営者のきめ細かなサポートがあり、こうした結果につながったのでは」と述べ、議論の口火を切った。
中高生の悩み相談や子ども食堂などに取り組む「ゆるっとほけんしつ 夢カフェ」代表の今西トモ子さんが「壁や扉がなくオープンな場所だからこそ、悩みを抱えた中高生が安心して集える場になっていた。子どもたちは、この貴重な場所がなくなることに不安を感じている」と話し、運用終了後の課題について言及。
太田市長は「ちょうど良い広さだからこそ使い勝手が良く、多くの市民に愛されてきたと思う。これで終わりではなく、今後整備していく東口まちなか広場につながるので、学んだことを生かし施設を使うプレーヤーである市民らとともに多くの人が集う広場になるよう取り組んでいきたい」と述べ、今後の整備に向けた意気込みを語るとともに、市民団体らが広場活用の自主勉強会を開催することに理解を示した。
フィナーレには、共同代表の神崎勝さん(ゾープランニング社長)と西村新さん(こいけやクリエイト社長)が大きな風船を割り、これまで支えてきた人たちに感謝の気持ちを伝え、レガシーの継承を誓った。