豊田市美術館(豊田市小坂本町8)に隣接する高橋節郎館で8月22日、「漆のお箸を作ろう!」と題した漆塗り体験が開かれた。
同館では7月・8月の夏季期間に幅広い世代に美術館への関心を持ってもらおうと、子どもも楽しめるさまざまな体験イベントなどを行っており、同体験もその一環。
当日は小学5年生以上を対象に、箸に本漆を塗って自分だけのオリジナルの箸を作るイベントが午前と午後の2回に分けて行い、計28人が参加した。
始めに豊田市美術館の学芸員がガイダンスを行った後、講師を務めた、漆芸家で京都市立芸術大学教授の笹井史恵さんが、漆が採れる樹木が生育する地域や歴史、特徴、注意点などを説明した。
箸作りの作業が始まると参加者は、笹井さんの実演を参考に、あらかじめ用意された、黒漆の下塗りの上に朱漆を重ねた根来(ねごろ)塗風と、朱漆の下塗りの上に黒漆を重ねた曙塗風の1膳の箸の模様を、サンドペーパーで研ぎながら作っていった。
作業が進んでいくと、朱色と黒のコントラストによる下地が浮かび上がり、箸の模様を見ながら笑顔を浮かべる参加者の姿も見られた。
研ぎ終わった箸は、食用油と砥(と)の粉を混ぜたペースト状のものを綿に付けて磨いて艶を出し、強度を加えるため、最後に箸の先端に漆を塗って完成させた。
箸を完成させた参加者は、写真に収めたり、笹井さんらに見せて感想を求めたりするなど、美術館での夏のイベントを思い思いに楽しんでいる様子だった。
完成した箸は、湿気の多い場所で2カ月ほど乾燥させ、年末年始の時期に使えるようになるという。