
小原地区の新たなランドマークとなる庭園「大平 憩いの杜」が完成し、2月27日、お披露目会が行われた。
同園は、豊田市小原地区の景観向上と地域・観光発展を目的とする団体「小原観光景観発展会」が、過疎化や商業、工業企業の減少が著しい小原を元気づけ、産学官民連携で小原地区を盛り上げるプロジェクトとして取り組んでいるもの。
同市の補助金事業「豊田市小原地区わくわく事業補助金2024」を活用し、愛知県立猿投農林高校(井上町)環境デザイン科の生徒や市民団体「チャレンジ大平」など、産学官民が連携して同園を整備。同地区で採掘事業を行っている丸普窯業原料(東郷町)が石材や表土などの資材を用意し、猿投農林高校環境デザイン科は作庭の設計・施工を担当。整備された庭園とともに水車公園につながる土地を管理する市民団体が提供している。
お披露目会当日は、プロジェクトに関わってきた猿投農林高校の教師や生徒をはじめ、小原観光景観発展会や市民団体の関係者ら約20人が出席。
完成報告では、同園を作庭した猿投農林高校環境デザイン科3年の田井中咲さんが「第51回全国造園デザインコンクール」で641点の中から特別賞を受賞したことなど、プロジェクトの成果を発表した。小原観光景観発展会の和田英士さんは「小原地区は通年楽しめる観光資源が少なく、伝統工芸である小原和紙も依然として厳しい状況にさらされ、商業、工業ともに下火が続いている。大平地区は地域活動が活発な自治区で、今回協働できたことはとても光栄」と話す。
来賓として出席した太田稔彦豊田市長は「若き高校生造園家たちの情熱による受賞は、地域住民たちの思いが結実したコラボのたまもの。つながることの大切さ、つなげることの可能性を改めて感じた。サグラダファミリアのように、この場所が世代を超えて愛され、進化し続ける観光資源となることを願っている」と話し、小原地区の活性化に期待を寄せた。