豊田市美術館(豊田市小坂本町8)で2月15日、常設特別展「サンセット/サンライズ」が開幕した。
今回の常設特別展は、愛知県にゆかりのある画家=小林孝亘(たかのぶ)さんをゲストアーティストに迎え、表題である「サンセット(日没)/サンライズ(日の出)」から派生する多様なイメージ・想像力を手掛かりに、同館コレクションの中からセレクトした作品を紹介する。
会場には、日没前や日の出後の短い時間に現れる薄明の神秘的な時間帯「マジックアワー」から始まり、「眠り/目覚め」、「終わり/はじまり」などの6つの章で構成し、コンスタンティン・ブランクーシ、丸山直文さん、狗巻(いぬまき)賢二さんなどの作品約120点を展示している。
中でも、「死と生」の章に展示され、今回の常設特別展のキービジュアルとなっている小林孝亘さん氏の「Pillow」は、少しシワのある真っ白なシーツの上に、中心がこんもりと膨らんだ枕が置かれている油絵で、
枕の使用感の少なさから『永眠』という言葉を連想させるとともに、枕に落ちる光と影の美しさが目を引く。
最後の章である「終わりと始まり」の展示室には、フランシス・ベーコンの「スフィンクス」や、グスタフ・クリムトの「オイゲニア・プリマフェージの肖像」などの名作を数多く展示している。
開館時間は10時~17時30分。月曜休館(祝日は開館)。観覧料は、一般=700円、高校生・大学生=500円ほか。5月8日まで。