コミュニティーFM「エフエムとよた（愛称＝ラジオ・ラブィート）」（豊田市若草町3）で放送している少年院や刑務所入所経験者や家族らの実情を当事者本人が紹介する番組「コウセイラジオ～break through the wall～」が来月から、全国のコミュニティーFMで放送される。

少年院経験者らが語る番組「コウセイラジオ」全国放送へ　今月末に特番も

　同番組は、大手新聞社記者の芳賀美幸さんが、名古屋大大学院情報学研究科に在学中に受刑者自らが発信する「刑務所ラジオ」などを研究する中で企画。芳賀さんが記者としての取材活動で出会った、非行当事者の社会復帰を支援するNPO法人「再非行防止サポートセンター愛知」の高坂朝人理事長が番組を進行している。

　番組タイトルは、社会復帰を意味する「更生」と、「公正」な情報が届けられることで非行少年や家族らの当事者が社会に立ちはだかる壁を乗り越えるとともに、地域住民の心の壁をなくしていくという思いを込めて、進行役の芳賀さんと高坂さん、番組ディレクターの3人で考案。2023年4月からは愛知少年院（浄水町）内でも毎週土曜午前に放送。9月には入所者が執筆した詩を朗読するコーナーも始まり、少年院と地域社会を、ラジオ番組を通じて相互につなぐ取り組みを行っている。

　今年6月には、優れたテレビやラジオ番組、報道活動に与えられる「第61回ギャラクシー賞」で、ラジオ番組を中心に、中日新聞豊田版での関連記事掲載やCATV「ひまわりネットワーク」と連携した映像配信による「再非行防止啓発活動」が評価され、報道活動部門において、応募30点の中から「選奨」に選ばれた。

　これを受け、全国のコミュニティーFMに番組配信を行うミュージックバード（東京都千代田区）が9月28日、同賞受賞を記念した特別番組を放送。10月2日からは、深夜帯に設けられているコミュニティーFMの全国発信ゾーンを通じてレギュラー番組として放送される。

　特別番組の放送時間は9月28日9時～9時55分、レギュラー番組は10月2日から毎週水曜24時～翌1時。